こねずに簡単!パン作り
巷でちょっとした流行になっている「こねないパン」をご存知ですか?
通常「こねて作る」パンを「こねずに作る」ので、手抜きになりますが、その仕上がりは、プロ級なのです!
「パンは水分が多いほど美味しい」と、プロの間でよく聞かれます。ハード系のパンにおいては特にです。ですが、水分量が多いパンとなると、必然的にこねるのが難しくなります。そこで、こねないパンの登場です。こねなくてもパンが作れるとなれば、水分を高い割合で加えられます。その意味で、こねないパンはプロ級の味を求めることができるのです。
やはり通常の「こねる」作業がない分、おさえるべきコツやポイントが少しあります。応用のきくシンプルなフランスパン生地の作り方を追いながら、ご説明していきます。
材料
・強力粉・・・100g
・薄力粉・・・100g
・粗塩・・・5~6g
・水・・・160cc
・白神こだま酵母・・・1g
*我が家では手軽に使える粉状の天然酵母の白神こだま酵母を使用していますが、もっと手軽に、同量のドライイーストに置き換えることも可能です。
作り方
1.各粉の半量、塩、水を入れ、水に浮かぶように酵母(又はイースト)を振り入れる。2~3分置いて、酵母が溶けたら、ゴムベラでしっかりと生地を合わせる。
【ポイント】水分量が多いので、後で残りの粉を足した時にダマにならないように、この時にしっかりと混ぜておく。
2.残り半量の粉を入れ、ゴムベラ、もしくはカードで、均一の状態になるまでしっかりと混ぜる。
【ポイント】こねない生地なので、通常の生地と違い、表面がつるんとしていないが、これで混ぜ終了。
3.湿らせたキッチンペーパーとラップを重ねて封をし、冷蔵庫で(冬は野菜室で)約8時間一次発酵させる。
【ポイント】じっくり発酵させることで、しっかりとこねていない生地でも水分をしっかり吸収し、十分なグルテンを形成することができる。
4.一次発酵終了後、生地とボウルの間にくるっとカードを差し込んで、たっぷりと粉を振ったまな板の上に、ボウルを逆さにし、生地を取り出す。
5.粉を付けた手で上から少し生地を押しつぶした後、生地とまな板の間に指を入れるようにして、上下に3つ折りを一回、左右に3つ折りを一回する。
6.生地を上下逆さ(閉じ目を下)にし、3.で使ったペーパーとラップを重ねたものを掛けて乾燥を防ぐようにして、20分ベンチタイムを取る。
7.今一度まな板にしっかりと粉を振り、生地を閉じ目が上に来るように置きなおし、指でしっかりと押さえて約15×15㎝になるように生地を広げ、5.の作業をもう一度行う。
8.再度閉じ目が下に来るようにクッキングシートを敷いた天板の上にのせ、約20分、二次発酵させる。(同時にオーブンを250度に予熱しはじめる。写真のように小さめリュスティックにする場合は、閉じ目を下にし、カードで4分割してから等間隔で天板に並べる。)
9.発酵終了後、生地にクープ(切り込み)を入れ、霧吹きでたっぷりの水を吹きかけてからオーブンに入れ、約30分(パワーの強いオーブンなら途中で220度に温度を下げ)焼成する。
10.焼成後、網の上で荒熱を取る。
【参考】こねないパンの作り方動画
まとめ
私がこの「こねないパン」と出会ったのは、初めての子育てが始まったばかりの約9年前のこと。
当時私は、自分の楽しみのためにも、家族の健康のためにも、趣味である自宅でのパン作りを継続したかったのですが、赤ちゃんの育児は予想以上に大変で。。。
起きている間はいつ泣いて呼ばれるかわからない状況で、手ごねでべたべた、手にパン生地を付けていられる状況ではありませんでした(笑)。
やっと寝てくれて自分の時間、と思ったら、今度はこねたりたたいたりで、大きな音を出して起こしてしまうのでは、とやはり気が気ではなく、作る気になどなれませんでした。
そんなときに本屋で出会ったのが「こねないパン」のレシピ本。読んでみたらなんとも簡単そう!
実践してみると書いてある通り、「ボウルひとつでできるので場所は取らない、あたりが汚れない、手も汚れない=片付けが簡単。夕飯と並行して作業ができる、片手間でできる。捏ねたりたたいたりしないのでとにかく静かに作業ができる。」メリットが盛り沢山のこねないパンでした。
そしてこれなら、「力もいらないので、高齢の方や、小さなお子様でも簡単に手作りパンを作ることができます。」
パン作りのハードルを下げるためにも、パン作り初心者さんにはぜひ、まずはこの、「こねないパン」の魅力を知ってほしいと思います!