ローソン×cottaコラボ
第2弾 古屋健太郎シェフ
2024年4月に開始したローソン×cottaコラボ企画。大好評のうちに終了した第一弾に続き、注目の第二弾がスタート! メニューの共同開発を手がけた、cottaイチ推しのシェフ6名の魅力をご紹介するとともに、今回発売する商品やお菓子作りへの思いについてもお届けします。
※ローソン関東甲信エリアで発売。
※一部販売のない店舗がございます。
「オレンジとプラリネのショコラテリーヌ」
2022年1月にオープンし、連日、多くのファンが訪れる「Les Alternatives(アルタナティブ)」。日本とフランスで経験を積んだ、注目の古屋健太郎シェフが営むパティスリー&ブーランジェリーです。
ショーケースにはフランス菓子をベースとした生菓子や焼き菓子に加え、シェフの妻でパン職人の朋実さんが製造する、焼きたてのパンも並びます。
暮らしに根ざした店づくり
東京の郊外、多摩エリアにある東小金井駅。さらに5分ほど歩くと、白い外壁に映える青いひさしが目印の「アルタナティブ」に到着します。
「この街は保育園が多くて、ちょうど僕らと同年代の子育てファミリーがたくさん住んでいます。都心から程よく離れたエリアで近くには大きな公園もあり、大学も点在していますよ。
自分が暮らしたいと思う街にお店を構えたくて、この場所を選びました」と語る古屋シェフ。
「高校卒業後、お菓子を専門的に学ぶまでは、甘いものを食べる習慣があまりなかったのですが、フランスで生活をしながら働いていたときに、お菓子がいつも暮らしのなかにあることに感動を覚えました。
食事の最後にはデザートを楽しみますし、毎朝のようにバゲットと一緒にエクレアも買ってくださるお客さまもいたり。フランスでは、行事にまつわるさまざまなお菓子がありますし、暮らしの一部なんですよね。気がつくと、僕にとってもお菓子が欠かせない存在になっていました。
ここアルタナティブにも、パンとケーキを一緒に買ってくださるかたがいらっしゃいますし、ほぼ毎日子どもだけでやって来て、おこづかいで買い物をしてくれる、かわいいお客さまたちの姿も。
お菓子やパンを通したコミュニケーションで、お客さまの暮らしが垣間見えるようなやりとりができることが楽しいですね」
「ちょうどいい」を形に
シックで落ち着いていながら、フランスにあるような、おしゃれな家具やディスプレイにもワクワクする店内。
「家具や什器は、物件が決まる前に日本やフランスで探し、気に入ったものを少しずつ買い集めました。
店舗を設計する際に、イメージ画はすべて自分で描いたんです。お菓子の道に進むことを決める前は、建築関係に携わりたいと考えていました。お店のロゴも僕自身が考えたものです」
子どもの頃から絵を描いたり、もの作りをするのが好きだった古屋シェフ。手を動かしながら頭に描いたことを形にするのが得意な、古屋シェフのセンスが店の随所でさりげなく光っています。
「店構えや店内の雰囲気は、男性的でも女性的でもなく、装飾などもやりすぎない。『ちょうどいい』ところを目指しました。生活のなかに自然にあるような、どんなお客さんも気軽に入りやすいお店にすることが理想です。
王道のフランス菓子と日本らしさを感じる洋菓子。その真ん中をいくような、ちょうどいい、自分らしさを打ち出していけたらと考えています」
シンプルな中に驚きのある仕掛けを
この日、古屋シェフに見せていただいたのは、お店の看板商品のひとつ「ヴェルディ」の製作工程。
「緑」を意味する名前がつけられた端正でスクエアなフォルムのケーキには、グリーンのピスタチオがびっしりとあしらわれています。
「鮮やかな緑をキープするために、ピスタチオは控えめにロースト。これをベースにして、フィヤンティーヌ、ビスキュイ、ブリュレに展開しています。サクサク、しっとり、なめらかと、異なる食感を組み合わせていますが、実はピスタチオだけでは、みなさんがイメージするような〈ピスタチオらしい味〉になりません。
アーモンドをローストするところから手作りをしたプラリネを合わせて、香ばしい風味とキャラメルの濃厚さをプラス。さらに、まろやかで香りの高いミルクチョコレートのムースを重ね、味わいに厚みをもたせています」
一見すると中の構成はわからないシンプルなケーキですが、フォークを入れたときと、さらに食べたときに驚きがあり、奥行きのある味わいにシェフのこだわりを感じます。
想像しやすく、想像を超えていく味に
アルタナティブでは、昨年からバレンタイン時期に期間限定でタブレットショコラを販売。美しい模様のショコラの中にオレンジソースやプラリネなどを潜ませた、遊び心とおいしさにあふれた楽しい仕掛けで、入手困難を極めるほど大人気だった商品です。
「アルタナティブといえば、ショコラを思い浮かべてくださるかたも多いので、今回はショコラを主役にしたお菓子を考えてみました。
濃厚なショコラテリーヌには、オレンジの爽やかな酸味や、香ばしいナッツの風味が相性抜群。
おいしい!ということを誰もが素直に想像できる組み合わせでありながら、実際に口にした時にはイメージを上回るような味の融合を目指しました。
おうちで手作りも楽しんでいただけるよう、レシピのご用意もあります。
テリーヌショコラオランジュ
レシピを見るオレンジのコンフィチュールに、ほんのひと工夫するだけで、味わいがワンランクアップ。テリーヌショコラも材料を次々に混ぜていけば良いので、あっという間にできますよ。
コンフィチュールオランジュコンサントレとプラリネを絞ってオーブンで焼き、しっかりと冷やして完成です。一度レシピ通りに作ったら、お好みのジャムでアレンジしてみてもいいですね」
音楽で「オルタナティブ」(英語)とは、型にはまらない、新感覚の表現方法を用いたジャンルのこと。お店の名前のとおり、これからも「妥協することなく挑戦する精神を持ち続けたい」という古屋シェフの快進撃に、ますます目が離せません。
撮影/松園多門、cotta(ローソンコラボ商品)、Patisserie Boulangerie Les Alternatives(タブレットショコラ) 取材・文/singt
1988年東京都出身。高校卒業後、エコール 辻 東京 辻製菓マスターカレッジに進学、同校グループ フランス校を卒業。東京・保谷の「アルカション」に就職し、スーシェフ務めた後、東京・自由が丘の「パリセヴェイユ」、フランス・ベルサイユの「オ・シャン・デュ・コック」などを経て、2022年1月、東京・小金井に「パティスリー ブーランジェリー アルタナティブ」をオープン。