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製菓・製パン
材料の保存方法まとめ

preservation method

製菓・製パンによく使われる材料の保存方法をまとめました。
何となく冷蔵庫や冷凍庫で保管していた…という方は、ぜひご家庭のキッチンをチェックしてみてくださいね。

保存の基本

(1)賞味期限を守る&開封後はできるだけ早く使う
賞味期限を守ることは当然ですが、開封後はできるだけ早く使うことが大前提です。
食材によっては日持ちするものもありますが、正しく保存をしても食材の劣化を完全に防ぐことはできません。
食材の劣化はお菓子やパン作りの失敗につながる場合もありますので、開封後はできるだけ早く使いきりましょう。

(2)常温保存
常温保存とは、直射日光を避けた15~25℃での保存を指します。

(3)冷蔵保存
冷蔵保存とは、冷蔵庫内(10℃以下)で保存することを指します。
冷蔵庫内は他の食べ物が保存されているので、匂い移りに注意する必要があります。また、庫内は乾燥しているため乾燥対策として密封保存が必要です。
冷蔵保存を推奨する食材のうち、温度変化に敏感なものは温度差が小さいドアポケットや野菜室での保存をおすすめします。

(4)冷凍保存
冷凍保存とは、冷凍庫内(-18℃以下)で保存することを指します。
冷蔵保存と同様に、匂い移りと乾燥に注意しましょう。

(5)冷暗所で保存
冷暗所で保存とは、直射日光が当たらず温度が低く一定に保たれる室内での保存を指します。
冷暗所での保存を推奨する製菓・製パンの材料のほとんどが湿気に弱い特徴があります。床下収納やシンクの下で保存する場合は、除湿剤を使い必ず湿気対策をしましょう。

(6)密封保存
密封容器を用いる、またはクリップシーラーなどで空気の入り口を完全に遮断してからの保存を指します。
袋の口を輪ゴムで留める等は密封保存になりませんので、ご注意ください。

小麦粉

小麦粉は冷暗所で密封保存


※ミックス粉の保存方法も同様。

小麦粉の保存方法

小麦粉は劣化すると小麦特有の風味がなくなり、グルテンがもろくなる傾向にあるため、パン作りには使いにくくなります。

(1)湿気と高温度は大敵

小麦粉は湿気に弱く、吸湿するとダマになったり劣化してしまいます。
直射日光を避け、涼しく乾燥した場所を選んで保管してください。湿度が高くなりやすいシンク下での保管は避けましょう。

(2)強い香りがする素材のそばでは保存しない

小麦粉はにおいを吸着しやすいため、においの強いものの近くで保存しないようにしてください。

(3)害虫やネズミは小麦粉が好き

小麦粉を害虫やネズミから守るために、密封した容器で保存してください。
また、ダニは低温(10度以下)であれば活動できないため、低温保存をしましょう。

砂糖

砂糖は冷暗所で密封保存

砂糖の保存方法

砂糖は劣化すると固くなり使いにくくなるため、作業性を損ないます。湿気に弱い粉糖の保存方法は特に要注意です。

(1)湿度変化が大きいとカチカチに固まってしまう

砂糖は吸湿性が良く、湿度によって表面の膜が水分を吸収・放出します。温度が低くなると水分を多く放出し、溶け込んでいた砂糖分が細かい結晶として現れ、結晶同士が強く結合しカチカチに固まってしまいます。
湿度変化が少ない冷暗所で、密封した容器に入れて保存をしましょう。
万が一、砂糖が固まってしまった場合は、水分を与えれば元に戻ります。砂糖の容器に食パンを入れて密封すると、次の日には食パンの水分を吸った砂糖は元の状態に戻ります。

(2)強い香りがする素材のそばでは保存しない

砂糖はにおいを吸着しやすいため、においの強いものの近くで保存しないようにしてください。

ベーキングパウダー

ベーキングパウダーは冷暗所で密封保存

保存方法

ベーキングパウダーは劣化すると膨張力が落ち、お菓子作りの失敗につながります。

(1)湿気に弱い

ベーキングパウダーは空気中の湿気とわずかでも触れ合うと化学反応が始まってしまいます。
湿気から守るために、密封保存が必須です。

(2)冷凍庫では保存できない

水分をほとんど含まないベーキングパウダーは冷凍庫で保管しても凍ることはなく、冷凍保存はできません。
逆に解凍する際に、器についた氷や霜が溶け出して湿気の原因になることも。
同様の理由から冷蔵保存もおすすめしません。

イースト

生イーストは冷蔵庫で密封保存


ドライイーストは冷暗所で密封保存


※インスタントドライイーストの保存方法はドライイーストと同様。

イーストの保存方法

イーストは保存方法を誤ると発酵が進んでしまい、膨張力が落ちてしまいます。

(1)細心の注意が必要な生イースト

生イーストは温度、水、空気に非常に敏感です。開封後は残った生イーストの表面が乾燥しないように密封容器に移し替え、冷蔵保存をしましょう。
生イーストは4℃以下になると活動を鈍らせることができます。
しかし、冷凍はおすすめしません。冷凍するとイーストは活動を停止しますが、凍結することにより細胞が破壊され、多数の酵母菌が死んでしまいます。
また、開封後は二週間程度で使い切ってください。それ以上はイーストの劣化は防ぐことができません。

(2)低温・低湿気が基本

ドライイーストは、空気に触れないようにし、低温で湿気の少ない場所で保存をしてください。湿気対策として密封保存をすれば、冷蔵庫での保管でも問題ありません。

バター

バターは冷蔵庫で密封保存。長期は冷凍庫で小分けして密封保存

バターの保存方法

バターは保存方法を誤るとカビてしまったり、風味を損なってしまいます。

(1)5℃前後で冷蔵、長期保存は冷凍

通常は冷蔵庫で保存し、長期保存は冷凍庫で保存しましょう。-15℃以下で保存することにより、1年程度は品質・風味の劣化を遅らせることができます。
※一般の家庭用冷蔵庫は-18℃。

冷凍する場合は、使い切りサイズに切り分けて、乾燥しないようにひとつひとつをラップで包んでから冷凍します。匂い移りの無いようにさらにジップロックなどに入れると◎。
解凍時は使う分だけ冷蔵庫で自然解凍します。

冷凍保存したバターを解凍後、再度冷凍保存するとバターの品質が著しく劣化するため、おすすめしません。

(2)空気にさらさない

空気中の酸素がバターの劣化につながるため、空気に触れないように密封保存が必要です。

(3)強い香りがする素材のそばでは保存しない

バターはにおいを吸着しやすいため、冷蔵庫内のにおいが移らないように密封した容器で保存をしましょう。

(4)バターナイフ&冷蔵庫は清潔に

汚れたバターナイフを使用すると、付着した汚れが原因になりバターにカビが生えてしまいます。また、冷蔵庫の他の食品がカビている場合もカビが繁殖してしまう可能性があるため、清潔に保ちましょう。

チーズ

チーズは冷蔵庫で密封保存

チーズの保存方法

チーズは保存条件が悪いと風味が落ちたり、カビが発生してしまいます。

(1)冷蔵保存が基本

チーズは冷蔵保存が基本です。5~10℃の冷所、湿度80~85%がチーズにとってのベスト環境。湿度が高い野菜室での保存がおすすめです。
冷凍保存をすると解凍時に品質が劣化し、ボソボソしてしまったり風味が悪くなってしまったりします。特に、お菓子作りで使うクリームチーズやマスカルポーネは水分を多く含んでいるため、冷凍すると品質や味が変わってしまいます。
パンなどに用いる加熱前提のプロセスチーズなどは、品質は落ちてしまいますが冷凍することができます。

(2)乾燥に注意

チーズを乾燥から守るために、ラップで包み、さらに密閉容器に入れて保存しましょう。

(3)水分はカビの原因に

チーズはカビやすいため、水分は大敵です。チーズをカットする場合は、濡れたナイフやまな板は避け、きちんと乾燥させた状態で使いましょう。
また、切り口に汗をかいたら、乾いた清潔な布でふいてからラップに包みます。定期的にチェックをして、チーズから水分が出ている場合は同じように乾いた清潔な布で水分を拭いてから、新しいラップに取り替えます。

(4)強い香りがする素材のそばでは保存しない

チーズはにおいを吸着しやすいため、においの強いものの近くで保存しないようにしてください。また、においが移らないように密封した容器で保存をしましょう。

バニラ

バニラビーンズは冷暗所で密封保存


バニラペーストは冷暗所で保存


バニラエッセンス・オイルは冷蔵庫で保存

バニラの保存方法

バニラは劣化すると風味が落ちてしまいます。ビーンズやペースト、エッセンスなどそれぞれの保存方法を抑えましょう。

(1)バニラビーンズ

バニラビーンズは湿気・乾燥対策をした冷暗所で保管をしてください。風味の劣化を防ぐために、密封した容器に入れて保存しましょう。
冷蔵庫で保存すると表面に斑点や結晶がつくことがありますが、これはバニラの成分によるもので、どちらも体に害はありません。
長期保存の場合は冷凍することも可能です。通常の保存と同じように密封状態を保ちましょう。

(2)バニラペースト

バニラペーストは冷暗所で保管してください。冷蔵庫で保存すると、乾燥により中身が劣化したり固まってしまい使用できなくなってしまう可能性があります。
温度変化が激しい夏場は冷蔵庫の野菜室やドアポケットなど、温度が低くなりすぎない箇所に保管をお願いします。その際は必ず、蓋をきっちりと締めてください。

(3)バニラエッセンス・オイル

バニラエッセンス・オイルは温度差に弱いため、温度を一定で保てる冷蔵庫で保管してください。その際は冷蔵庫の野菜室やドアポケットなど、温度が低くなりすぎない箇所に保管をお願いします。
また、冷蔵庫保存は雑菌の繁殖を抑える効果もあります。

チョコレート

チョコレートは冷暗所で密封保存

チョコレートの保存方法

チョコレートは保存に失敗すると、著しく風味が落ちてしまいます。

(1)夏場以外は常温保存

チョコレートを保存する際の適正温度15~22℃。気温差に弱いチョコレートは本来常温保存が推奨されています。
低湿・低温の冷暗所で保管をしてください。
気温が上がりやすい夏場は、保存温度が下がりすぎない野菜室などで保管をしてください。

(2)密封保存で酸化を防ぐ

油脂分であるカカオバターを多量に含んでいるチョコレートは、湿度の変化による影響を受けやすい特徴があります。酸化は空気にふれた瞬間から始まってしまうため、密封容器もしくは真空パックで保存をしてください。

抹茶

抹茶は冷蔵庫で密封保存

抹茶の保存方法

抹茶は保存条件が悪いところで保存すると、退色・変質してしまう恐れがあります。

(1)湿気と高温度は大敵

抹茶は高温・多湿・光線に弱く、風味を損なってしまったり、退色してしまう可能性があります。未開封のものでも、高温には特に注意が必要です。
直射日光を避け、冷蔵庫で密封保存をしましょう。その際は、光を通すタッパーやジップロックなどの容器は避けて、販売時の遮光袋で保存をしてください。さらにクリップシーラーで密封すると◎。

(2)強い香りがする素材のそばでは保存しない

抹茶はにおいを吸着しやすいため、においの強いものの近くで保存しないようにしてください。においが移らないように密封状態で保存をしましょう。

ココア

ココアは冷暗所で密封保存

ココアの保存方法

製菓用の純ココアは一般のミルクココアよりも、温度変化に弱い特徴があります。

(1)湿気と高温度は大敵

ココアは温度変化に弱く、吸湿をしてしまうため、冷蔵庫での保存はおすすめできません。
直射日光を避け、涼しく乾燥した場所を選んで密封保存をしてください。

(2)強い香りがする素材のそばでは保存しない

ココアはにおいを吸着しやすいため、においの強いものの近くで保存しないようにしてください。

(3)害虫はココア好き

害虫からココアを守るために、しっかりと密封した容器で保存してください。
ほんの少しの隙間から入り込めてしまうほど小さな虫が湧いてしまうことがあるため、密封保存をおすすめします。

ナッツ類

ナッツ類は冷暗所で密封保存

ナッツ類の保存方法

ナッツ類は保存方法を誤ると、油が回ってしまったり風味が落ちてしまいます。

(1)湿気と酸素は大敵

ナッツ類は湿気に弱いため、空気を含んだ保存には向いていません。また、空気中の酸素で酸化してしまい、油回りがしやすくなる可能性も。
これらを避けるために瓶などで保管せずに、ジップロックや真空パックを使い、空気を抜いて密封した状態での保存をおすすめします。

(2)高温・直射日光に注意

ナッツの推奨保存温度は10~14℃といわれています。直射日光を避けた冷暗所での保存が望ましいです。
気温が上がりやすい夏場は冷蔵庫の野菜室やドアポケットなど、温度が低くなりすぎない場所で保管をしましょう。

(3)冷凍保存OK

若干味が落ちる可能性がありますが、冷凍保存も可能です。通常の保存方法と同じようにきちんと密封し、冷凍しましょう。

ドライフルーツ

ドライフルーツは冷蔵庫で密封保存

ドライフルーツの保存方法

ドライフルーツは保存方法を誤ると、カビてしまったり質感が変わってしまいます。

(1)冷蔵庫での保管が無難

ドライフルーツの種類によっては常温保存が可能なものもありますが、冷蔵庫内での保管が安心です。その際は湿度が高い野菜室は避けてください。

(2)密封保存で酸化を防ぐ

酸化は空気にふれた瞬間から始まってしまうため、密封容器もしくは真空パックで保存をしてください。

(3)冷凍保存はおすすめしない

ドライフルーツは冷凍すると、解凍時に果実の繊維が壊れてしまいます。繊維が壊れると、本来の風味や食感が損なわれてしまうため、冷凍保存はおすすめしません。

ゼラチン

ゼラチンは冷暗所で密封保存

ゼラチンの保存方法

ゼラチンは保存方法を誤ると、ゼラチンが変質し溶けなくなってしまうことがあります。

(1)冷暗所で保存

ゼラチンは高温、湿気に弱いため、冷暗所での保存が必要です。また、紫外線があたると不溶性に変質してしまうため、直射日光は厳禁です。

(2)新しい食器棚では保存しない

新品の食器棚には有機溶剤が多く含まれており、この有機溶剤中のホルマリンガスにゼラチンが触れると不溶性に変質してしまいます。

保存方法がまるわかり早見表

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