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ゼロから学ぶパンの「一次発酵」

はじめてのパン作り

発酵機能付きオーブンで何となく発酵していませんか?
こね終わりのパン生地の状態や季節によって、適切な発酵時間や温度、湿度は変わります。
パン作り初心者は必見、イーストの活動から見極め法まで「発酵」について詳しく解説します。

発酵とは?

発酵とは、イースト(パン酵母)がパン生地内に含まれた糖分を分解して、炭酸ガスやアルコールを発生させる現象のことです。
このときに発生する炭酸ガスが、グルテン組織に入ってパン生地を膨らませます。

一次発酵の目的

(1)パン生地を膨らませること
パン生地にとって十分な発酵をとることで、ふんわりとした弾力のあるやわらかい食感になります。

(2)パンに独特の風味や香り、旨みを生み出す
発酵時間が長ければ長いほど、風味が良く旨みが増します。また、生地の熟成も進むことでよりおいしいパンが焼きあがります。短時間で作ったパンは、パンの老化が早くなります。

Q.パンの老化とは?

Q.一次発酵でパンチがあるのとないのはなぜ?

Q.発酵が一回だけのレシピでもパンは作れますか?

一次発酵の方法

(1)オーブンの発酵機能
温度や時間を設定できる発酵機能が便利です。
(2)湯煎
40℃くらいのお湯を張った発砲スチロールに、生地が入ったボウルを入れフタをします。発砲スチロールを使用することで、温度が保ちやすくなります。
ない場合は、生地の入ったボウルをお湯を張った大きめのボウルに入れます。
温度が低くなってきたら、適宜お湯を張りかえます。
(3)発酵器
温度と湿度を保つことができます。家庭用の洗えてたためる発酵器もあります。
洗えてたためる発酵器 PF102

発酵の温度と湿度・時間

イーストが活動しやすい環境に整えることが重要です。
温度28℃~40℃ 湿度70%~80%の環境に整えましょう。

レシピや、生地のこねあげ温度によっても、一次発酵に適切な温度や時間は異なります。
レシピに記載の温度よりも低い場合は発酵時間を長めに、高い場合は短めで様子を見ましょう。

湿度を保つことで、乾燥を防ぐことができます。パン生地が乾燥すると、生地の伸びが悪くなったり、パサついたパンになる原因となります。

Q.室温で発酵させてもいい?

Q.オーブンの発酵機能を使う場合、何度に設定すればいい?

Q.レシピ通りの時間発酵させたのに、生地が膨らみません。

Q.冷蔵発酵させているレシピのメリットは?

一次発酵の見極め

(1)膨倍率

膨倍率とは、こねあがった生地の大きさを1として、その生地が発酵後に何倍の大きさになったかを表したものです。
レシピの配合や製法により異なりますが、2倍~3倍くらいの大きさになれば、一次発酵終了の目安です。

一次発酵に使うボウルはパン生地が膨らむことを考慮して、大きめのボウルを使いましょう。

一次発酵前の写真
一次発酵後の写真

(2)フィンガーテスト

フィンガーテストとは、発酵したパン生地に、打ち粉を付けた指で穴をあけて発酵状態を確認する方法です。

【フィンガーテストのやり方】
1.人差し指に打ち粉をつける
2.生地の中央部に人差し指の第2関節まで、そっと差し込む

発酵不足の場合…穴が押し戻され、弾力が強い状態
適切な発酵の場合…穴はそのまま、もしくは少しふさがる程度。この状態なら次の工程へ。

※油脂の多い生地は適正な発酵がとれている状態でも多少穴は戻りますが、形をとどめている状態であればOK。配合によっても生地の状態は若干異なります。
発酵過多の場合…ガスが抜けて全体がしぼんだり、表面に気泡が出てくる状態。

一次発酵に関するQ&A

Q.発酵と腐敗は違う?

A.人間にとって有益なものが発酵、不利益なものが腐敗。発酵も腐敗も微生物の活動の仕方は一緒。

発酵も腐敗もイーストやカビなどの微生物が関与しています。
例えば、ワインは酵母がぶどうの糖分を分解して作られます。また、生肉や生魚にブドウ球菌が取り付くと、それらのタンパク質を分解して毒素が発生します。前者が発酵、後者が腐敗です。

どちらも酵母などの微生物がエサを食べて、分散してエネルギーを得ています。

Q.パンの老化とは?

A.焼成後のやわらかいパンが、時間が経つにつれ水分が蒸発してかたくなることを指します。

でんぷんの変質により、味が落ち、香りの成分も蒸発して失われていきます。
短時間で作ったときの他に、水分が少なかったり、副材料が少なかったりするパンにおいても老化は早くなります。

Q.一次発酵でパンチがあるのとないのはなぜ?

A.一般的に、パンチはあまりこねないパン(ハード系のパンなど)に用いられる手法です。

パンチとは、発酵の途中に、生地内に発生した炭酸ガスを抜く工程のことです。
パンチをすることで、グルテンが強化され、パン生地のボリュームが大きくなります。

ハード系のパンは、砂糖や油脂が少なく膨らみにくい、加水が多くグルテンを作りにくいなどの理由から、パンチを入れることが多いです。

Q.発酵が一回だけのレシピでもパンは作れますか?

A.発酵が一回だけのレシピでもパンは作れます。
一次発酵・二次発酵と発酵を二回とった方が、よりふんわりとしたボリュームのあるパンに焼き上がります。

どのようなパンが好みかで、レシピを探したり、参考にしたりしてみてください。

Q.一次発酵のとき、なぜ生地を丸めて発酵させるの?

A.
(1)パン生地の中の炭酸ガスをため込みやすくするため
(2)発酵の見極めをしやすくするため
(3)パン生地を扱いやすくするため

また、一次発酵の際、パン生地が乾燥しないように気をつけましょう。
何度でも使える、ラップ代わりのお役立ちアイテムはこちら。

Q.室温で発酵させてもいい?

A.夏場は湿度もあるので、室温でも十分発酵します。
冬場は乾燥しやすくなるので、なるべく暖かく湿度を保った環境で発酵させることをおすすめします。

どちらの場合も、生地の入ったボウルにラップをかけるなど、パン生地が乾燥しないようにしてください。

Q.オーブンの発酵機能を使う場合、
何度に設定すればいい?

A.30℃~40℃の間で、季節によって調整してください。

部屋が寒いときは、35℃~40℃くらいが良いでしょう。
また、オーブンの発酵機能を使う場合、最初のスタート温度が低いため、レシピに記載されている発酵時間より長くかかることがあります。
発酵を少し長めにとるか、あらかじめ庫内を温めておきましょう。

Q.レシピ通りの時間発酵させたのに、
生地が膨らみません。

A.こねあがり温度や、発酵温度や湿度などの環境によって、発酵時間は異なります。
レシピに記載されている時間はあくまで目安なので、パン生地の状態を見て判断しましょう。

また、夏場と冬場では、発酵のスピードも変わります。
基本的に温度が高いと発酵が早く、温度が低いと発酵は遅いです。日本の四季は大きく環境が異なるため、季節に応じて調整します。

Q.冷蔵発酵させているレシピのメリットは?

A.冷蔵庫などで時間をかけて発酵させる方法を、低温長時間発酵といいます。
低温でゆっくり発酵させると、風味がよく旨みが増します。また、パンの老化も遅くなります。

ただし、発酵の温度帯が低いレシピに関しては、低温長時間発酵に向く配合にされています。短時間で発酵させて焼成するレシピを単純にそのまま低温長時間発酵で作ると、思ったとおりのものが仕上がらない可能性もあります。

Q.フィンガーテストは必ずしなければいけない?

A.必ずしも必要な作業ではありません。

膨倍率や、生地の状態で判断できるのであれば、フィンガーテストをやらなくても問題ありません。
慣れないうちは、発酵の見極めの目安とすると良いでしょう。

Q.発酵不足はどうなる?

A.かたいパンに仕上がります。

フィンガーテストをした際、発酵不足だと判断したら、5分~10分くらいずつ待って様子を見ましょう。

Q.過発酵はどうなる?

A.アルコール臭がしたり、生地が乾燥気味になります。また、パンの焼き上がりのキメも粗くなります。

元には戻せないので、仕上がりは多少悪くなりますが次工程へ進むか、あまりにも酷いときはやり直しましょう。

過発酵について詳しくはこちら

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