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準強力粉とは?強力粉で代用できるか検証してみた

date
2024/01/29
writer
miharu
category
パン作り

準強力粉ってどんな小麦粉?強力粉との違いをチェックしよう

日本では、含まれるタンパク質の量や質によって「強力粉」「準強力粉」「中力粉」「薄力粉」と分類されている小麦粉。
パン作りには、タンパク質量の多い強力粉と準強力粉が使われています。

今回は、この中から「準強力粉」に注目して解説。
準強力粉と強力粉でフランスパンを焼き比べ、違いと特徴を見ていきましょう。

準強力粉とは

準強力粉とは、主にフランスパンなどのハードパンを作るときに使われる小麦粉。「フランスパン専用粉」と呼ばれることもあります。

タンパク質含有量10.5~12.0%を目安とし、タンパク質量が高い硬質小麦を主原料とした、グルテン質が強い小麦粉です。
タンパク質量は強力粉と比べると少ないのですが、灰分量(ミネラル分)が多いのが特徴。

生地の弾力はやや弱いですが、緩やかなのびのある生地になります。

パリッとしたクラストと噛み応えのあるクラムで、香ばしい風味のパンを焼き上げることができるので、フランスパンやドイツパンなどのハード系パン、クロワッサンやデニッシュペストリーなどに向いています。

また、焼き菓子や中華麺に使われることも。

強力粉・中力粉・薄力粉と準強力粉の違いは?

「強力粉」「中力粉」「薄力粉」についても特徴を確認しておきましょう。

強力粉

タンパク質含有量11.5~13.0%を目安とし、準強力粉と同じ硬質小麦を主原料とした、グルテン質が強靭な小麦粉。

タンパク質量が準強力粉より多く、灰分量は少なめ。

生地の弾力は強くてのびがとてもよいので、ふっくらとしてボリュームのあるパンが焼けます。
ソフトな食感が求められる食パンやテーブルロール、菓子パン作りにおすすめです。

中力粉

タンパク質含有量8.0~10.5%を目安とし、タンパク質量があまり高くない中間質小麦を主原料とした、グルテン質がやわらかい小麦粉。

強力粉と薄力粉の中間ぐらいのタンパク質量なので、適度な弾力と伸展性があり、主にうどんなどの麺類を作る用途として使われます。

薄力粉

タンパク質含有量6.5~8.0%を目安とし、タンパク質量が低い軟質小麦を主原料とした、グルテン質が弱い小麦粉。

タンパク質量が少ないのでグルテンの形成が抑えられ、ふんわりとしたやわらかい食感に仕上がります。
スポンジケーキやクッキーなどお菓子全般、天ぷらなどのお料理に。

準強力粉と強力粉でフランスパンを焼いてみた

準強力粉と強力粉でどのような違いがあるのか、配合と工程を同様にしてバゲットを焼き、徹底比較してみました。

配合

  • 準強力粉または強力粉…200g
  • モルトパウダー…0.5g
  • 水…135g
  • インスタントドライイースト…1.2g
  • 塩…4g

生地のこね

準強力粉または強力粉・モルトパウダー・水で2分間こね、オートリーズ20分間。
インスタントドライイーストを加えて1分間、続いて塩を加えて8分間こねる。

こね上げ温度は準強力粉が23.5℃、強力粉が24℃。

準強力粉

  • グルテンの力が弱いので生地はやわらかく、少しベタつきがあり、横に広がってダレてくる感じ。

  • 伸展性はよいが、グルテン膜はやや厚め。

強力粉

  • グルテンの力が強いので生地には弾力があり、ベタつきはなくサラッとなめらか。

  • 伸展性はとてもよく、グルテン膜は強く、薄くのびる。

一次発酵

26℃ 90分間 → パンチ → 60分間

準強力粉

  • 生地の弾力が弱く、やわらかい。
  • パンチの前後ともに横に広がるように、約2.5倍に膨らむ。

  • パンチ後は生地に弾力がついてきて、伸展性もよい。

強力粉

  • 生地の弾力が強く、ハリがある。
  • パンチの前後ともに丸く上方向に約2倍に膨らむ。

  • パンチ後は弾力と伸展性のどちらも力強さを感じる。

最終発酵

26℃ 60分間~

準強力粉

  • 発酵時間は65分間。
  • 横方向に緩むように膨らむ。

強力粉

  • 発酵時間は75分間。
  • 縦方向にボリュームが出てハリのある膨らみ方。

焼成後の見た目

準強力粉

  • 濃い焼き色。
  • クープが開き、フランスパンらしい棒状。

強力粉

  • 明るい焼き色。
  • 準強力粉に比べて大きく膨らみ、ボリュームのある形。

断面

輪切りと横割りにカットして、断面を見てみましょう。

準強力粉

  • 大小の気泡がランダムに入っている。
  • 気泡数は少なめで、気泡膜は厚め。
  • クラムの色は黄色味を帯びている。

強力粉

  • 準強力粉に比べると小さな気泡が入っている。
  • 気泡数は多く、気泡膜は薄め。
  • クラムの色は白い。

食感と味わい

準強力粉

  • パリッとしたクラストと、もっちりとしたクラムのバランスがよく、噛み応えのある食感。
  • 香ばしい香りとうまみもあって味が濃く感じられる。

強力粉

  • クラストは引きが強く噛み応えがあり、クラムはふんわりとやわらかくて軽い食感。
  • 香りは穏やでクセがなく、淡白な味わい。

まとめ

生地のこねから焼成まで、準強力粉と強力粉ではひと目見てわかるくらい違いがありました。

どちらの小麦粉でもおいしく作ることはできましたが、より本格的なフランスパンの風味や味・食感を求めるなら「準強力粉」がおすすめです。

他の小麦粉で準強力粉は代用できる?

準強力粉がないときは、強力粉7~8割に対して薄力粉を2~3割の割合で混ぜれば、代用とすることも可能です。

準強力粉と同じとはなりませんが、いざというときのヒントに。

準強力粉の特徴を生かしたパン作りを

今回は準強力粉について詳しく解説しました。

準強力粉は、タンパク質含有量や灰分量などがフランスをはじめとしたヨーロッパの小麦粉に近くなるようにつくられた小麦粉。だからハード系のパン作りには最適。

ぜひ、バゲットやカンパーニュなどのハードパン作りに使ってみてくださいね。

【おすすめの特集】小麦粉徹底比較小麦粉徹底比較の特集はこちら

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2024/01/29
writer
miharu
category
パン作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

「楽しみながらパン作り」をモットーに、日々パンやお菓子作りに励んでいます。 パン教室主宰。

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