ナッツのロースト、どこまでやってる?
お菓子作りやパン作りで使うことの多いナッツ類。
生のまま入れたらいけないの?
ローストする温度や時間はどのくらい?
そんな疑問を持つことはないでしょうか。
今回は、普段はあまり意識することがないナッツのローストについて解説します。
ナッツはどうしてローストが必要なの?
ローストしてから使うことが多いナッツ。生地に混ぜ込んで焼けば熱は通りそうなもの。
事前にローストするのはなぜなのでしょう。
ローストする大きな理由は、おいしさのため。
生のナッツは水分量が多く、しっとり。ローストすることで水分が抜けてカリッとした食感になり、香ばしさが加わったり甘みが増したりするのです。
よりナッツのおいしさを感じるためにもローストの一手間が大切なのですね。
*「生食OK」と記載がされていないナッツは、必ずローストしてからご使用ください。
ナッツごとのロースト温度と時間
ナッツをローストするときに悩むのが、「どこまでローストすればよいのか?」ということではないでしょうか。
今回はオーブンを使用して、いろいろなナッツのロースト具合を比較してみましょう。
オーブンでのロースト方法
天板にナッツを広げましょう。
このとき、ナッツ同士が重ならないように広げるのがポイントです。
アーモンド(ホール)
適正ロースト時間:160℃10〜12分間(目安)
外側の見た目はそれほど変わりませんが、断面を見てみると中の色付き具合に違いが。
160℃10分間だと、カリッとした食感でアーモンドの甘みも◎
180℃10分間は甘みよりも香ばしさが強い印象。ただ、苦すぎるというほどではありません。
アーモンド(スライス)
適正ロースト時間:160℃5分間(目安)
スライスされたアーモンドは薄いので、ロースト時間は短めに。
ローストしすぎると、かなりこんがりと色付いてしまいます。
アーモンドスライスはトッピングに使うことも多いため、うっすら色付くくらいが見た目にもきれい。
ローストしすぎると苦みが全面に感じられ、アーモンドの風味が消えてしまいます。
くるみ
適正ロースト時間:160℃8〜10分間(目安)
180℃10分間だと色付きすぎてしまっています。
ローストしすぎると香ばしいというよりは渋みを強く感じてしまい、くるみの風味や甘さが感じられません。
くるみは、あまり高温でローストしないほうがよいでしょう。
カシューナッツ
適正ロースト時間:160℃10分間(目安)
カシューナッツは甘みが特徴的なナッツ。
180℃10分間だと、甘みよりも香ばしさのほうが強くなってしまいます。
カシューナッツは白いナッツなのでほんのり色付いたくらいが見た目にもきれい。
甘み・見た目ともに160℃10分間くらいが最適でしょう。
ピスタチオ
適正ロースト時間:160℃3〜5分間(目安)
濃い緑色のピスタチオ。外側の見た目はどれもあまり変わりませんが、中の色付き具合に違いが。
160℃だとほんのり色付く程度。
180℃だと茶色みが強く、色の鮮やかさがなくなってしまいます。
刻んで仕上げのトッピングにのせることが多いピスタチオは、鮮やかな色を残しておきたいもの。
ロースト時間は他のナッツに比べ、短めにするのがおすすめです。
ロースト時に気を付けたいこと
温度と時間は目安に
上記で示したロースト温度と時間、また各レシピに記載されている温度と時間はあくまで目安。
各ご家庭のオーブンによって熱の上がり方に差があるので、ローストが足りなかったり、焦げてしまったりすることがあるかもしれません。
ひとつ手に取って割ったり食べたりして、各ご家庭のオーブンに合わせて調整してみてください。
ロースト完了後はすぐに天板から取り出す
ナッツをオーブン庫内に入れっぱなしにしておくと、熱がどんどん入っていってしまいます。
ローストが完了したらすぐにオーブンから取り出し、天板から外して冷ましましょう。
あらかじめローストしておく
お菓子やパン作りに使うときは、あらかじめローストして冷ましておくことが大切。
ナッツが温かいうちに生地に入れてしまうと、生地温度が上がってしまいます。
特にパン生地は、生地温度が高くなってしまうと過発酵になってしまうこともあるので、気を付けましょう。
用途によってロースト時間を短くすることも考える
ナッツを生地に混ぜ込むのか・表面にのせて焼くのか・仕上げのトッピングに使うのかによって、温度と時間を調整しましょう。
ちょうどよくローストしたナッツを表面にのせてさらに加熱すると、ローストのしすぎで焦げてしまうことがあります。
ナッツをおいしくローストしましょう!
簡単そうに見えて、加減が難しいナッツのロースト。
ナッツをローストする際の参考にしてみてください。