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アガーの失敗しない使い方、寒天・ゼラチンとの違いは?

date
2022/06/29
writer
よーちんママ
category
お菓子作り

透明度の高いゼリーが作れるアガー

アガーで作ったゼリーは、簡単にできて透明感があり、ツルンとした食感で人気♪
寒天やゼラチンとは、また違ったおいしさがありますよね。

でも、固まらなかったという失敗をしたことはありませんか?

今回はアガーの特性や、失敗例と原因などをご紹介。寒天やゼラチンという凝固剤との違いについても解説します。

アガーとは

アガーとは、カラギーナン(カラギナン)を主原料としたゲル化剤です。

カラギーナンは、ツノマタ・スギノリ・キリンサイなどの海藻から抽出される多糖類。

同じく海藻から作られる寒天は、テングサやオゴノリが原料となるので、使われる海藻の種類が違います。

アガーの特徴

  • プルっとしてやわらかく、なめらかで口当たりの良い独特の食感。

  • 固まる温度は30〜45℃。常温で固まる。

  • 固まったものが溶ける温度は、60℃以上。常温でも溶け出すことなく形を保てる。

  • 無味無臭。食材の風味の邪魔をしない。

  • 寒天やゼラチンと比べて透明性が高く、素材の色をいかせる。
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アガーが固まらないのはなぜ?原因と対策

レシピどおり作ったのに、固まらないのはなぜでしょうか?
原因と対策を確認しましょう。

原因1.ダマになった

アガーには、ダマになりやすいという特徴があります。

一度できたダマは、加熱してかき混ぜてもなかなか溶けません。こうなると、固まりづらくなる原因に。

ダマになってしまったものはかなりやわらかいので、スプーンですくうと落ちそう。
きれいに溶けたものと比べると、緩いのがわかります。

対策

とにかく、アガーをダマにしないことが重要!ダマになりにくい方法をお教えします。

  • アガーと砂糖をあらかじめ混ぜておく
    アガー単体だとダマになりやすいので、砂糖と混ぜるのがおすすめ。

  • 常温の水を使う
    冷蔵庫から出したてなど、冷たい水に加えるのはNG。冷たい水がだめならと、熱いお湯に加えるのもダマになるので注意!

  • 少しずつ振り入れながら溶かす
    一気に加えるとダマになりやすいので、少しずつ振り入れるようにして溶かしながら加えていく。

    ※砂糖とあらかじめ混ぜておいても、一気に入れてしまうとダマになることがあります。

原因2.しっかり煮溶かしていない

アガーは90℃以上で溶けます。

加熱の温度が低いと、アガーがきちんと溶けなくて固まりづらくなります。

一見溶けているように見える60℃で加熱終了。容器に入れて冷やし固めてみました。
固まってはいるものの、やわらかいのでスプーンですくうと落ちてきます。

対策

  • 90℃で1分間ほど加熱して煮溶かす
    溶けているように見えても、きちんと加熱して溶かさないとアガーは固まりません。

    ※メーカーによって「軽く沸騰させる」「80℃で5分間加熱」など使用方法が違うので従ってください。

原因3.酸味の強いものを一緒に煮た

アガーは、酸味の強い果汁と一緒に加熱すると固まりづらくなります。

レモン汁を用意して実験してみました。

レモン汁を初めから加えたものは、全く固まっていなくてほぼ液体。
最後に加えたものは、少し緩いですが固まっています。

対策

  • 酸味のある果汁を使用する場合は、火を止めてから最後に加える。

原因4.糖度が低い

アガーは、砂糖の割合が低いと固まりづらい性質があります。

砂糖なしと砂糖ありのゼリー液を比べてみましょう。

・水100g+アガー3g+砂糖なし

砂糖なしで固めたものは、型から出すと横に広がってしまいます。
非常に緩いのでスプーンですくいづらいです。

・水100g+アガー3g+砂糖10g

糖度があるものは型から出してもある程度形を保ち、スプーンでもすくいやすいです。

対策

同じ水分量とアガー量でも、糖度によってかたさが変わってきます。
砂糖の配合を増やすと保水性が高まり、固まりやすさがUP。

砂糖なしの水ゼリー、無糖のコーヒーゼリーなどは固まりづらくなるので、砂糖を加えるレシピが失敗なく作れます。

その他の理由

  • アガーを煮溶かした後にジュースなどを加えるとき、ジュースが冷たいと混ぜた瞬間にそこだけ固まってしまうことがあります(温めてから加えましょう)。

  • ヨーグルトや乳酸菌飲料を加えると、分離して固まりません。

  • 各メーカーによって、微妙に固まり方が違うことがあります。

アガーの失敗しない使い方

失敗例と原因をふまえて、失敗しない使い方を工程ごとに見ていきましょう。

  1. アガーと砂糖はあらかじめ混ぜておく。

  2. 鍋に常温の水を入れる。
    そこに混ぜておいたアガーと砂糖を少しずつ振り入れ、その都度混ぜる。

  3. 中火にかけ、ゴムベラなどでかき混ぜながら沸騰させる。

  4. 90℃くらいで約1分間加熱して煮溶かす。

  5. 火を止めて、すぐにジュースや果汁などを加える。
    ジュース類は温めておくと良い。

  6. 容器に入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。

ゼラチンや寒天との置き換えは可能?

アガーを、ゼラチンや寒天で代用することは可能なのでしょうか。

寒天・ゼラチン・アガーは、固まり方や口溶けが全く異なり、使用量の目安もそれぞれ違います。

寒天

  • 歯切れがよくほろりとした食感
  • 使用量…液体量に対して0.5~1%

ゼラチン

  • プルプルとやわらかな弾力があり、口溶けがよい食感
  • 使用量…液体量に対して2~3%

アガー

  • なめらかでツルンとした食感
  • 使用量…液体量に対して1.5~3%


アガーでのレシピ量をそのまま寒天やゼラチンに当てはめると、かたすぎたりやわらかすぎたりしてしまいます。

使用量を調整して使い方に気をつければ、ジュースを固めるゼリーなどは代用も可能です。

ただ、ムースやババロア、レアチーズケーキなどは、ゼラチン以外で作るのは難しいので注意が必要。なんでも代用できるわけではありません。

これで失敗なし!お菓子作りにアガーを使ってみよう

「ちょっとくらいダマになっても平気かな」「ちょっとくらい溶かす温度が低くても平気かな」と思いがちなアガー。

実際に検証してみると、「ちょっとくらい」が重要なポイントだということがよくわかりましたね。

これからの季節にぴったりな、涼しげなデザート作りにぜひ活用してみてください!

【おすすめの特集】アガー・ゼラチン・寒天・ペクチンの違いアガー・ゼラチン・寒天・ペクチンの違いの特集はこちら

date
2022/06/29
writer
よーちんママ
category
お菓子作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

お菓子作りが大好きな二児の母。家族がおいしそうに食べてくれるのが一番の幸せ。子どもと一緒に作れる簡単なお菓子を作ることが多いです。 

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