6,500円以上ご購入で送料110円 - 12/11(水)16:00まで

cotta column

お菓子・パン作りの知的好奇心を満たす情報メディア

パン作りでベンチタイムが必要な理由

date
2022/09/14
writer
miharu
category
パン作り

「ベンチタイム」とはどんな時間?役割について考えてみよう

パン作りをしていると、「ベンチタイム」という工程が出てきます。
いったい、どのような目的で行う工程なのでしょうか。

今回のコラムでは、「ベンチタイム」について詳しく解説します。

ベンチタイムとは

ベンチタイムとは、一次発酵の終わった生地を分割して丸めた後、成形作業をする前に生地を休ませる時間。「ねかし」や「中間発酵」ともいいます。

丸めることで弾力が出て引き締まった生地を緩ませ、成形しやすい状態にするために必要な時間なのです。

生地によって違いはありますが、15~30分間を目安に休ませます。

ベンチタイムの名前の由来

「ベンチ」は作業台のこと。
この上で生地を休ませていたから、こう呼ばれるようになったそうですよ。

なぜ、ベンチタイムが必要なの?

分割をして丸め終わった生地は、グルテンが絡み合って弾力が強くなります。
この生地を成形しようとすると、縮んでしまってうまく形を作れなかったり、生地の表面が切れたり、べたついたり。

そこで、ベンチタイムをとります。
この間も、生地の発酵は進んで膨らみます。絡み合ったグルテンは引き伸ばされ、弾力が弱まって成形がしやすい状態に。

このように、グルテンの弾力が強くなることを「加工による緊張」、弱まることを「構造の弛緩」と呼びます。

ベンチタイムでは、分割・丸めによって緊張した生地を弛緩させ、成形しやすい状態にしているのです。

生地はこねから最終発酵までの間、緊張と弛緩を繰り返しており、このバランスがおいしいパン作りには大切になります。

ベンチタイムのやり方とポイントをチェック!

シンプルな配合のパン生地を使って、ベンチタイムを行ってみます。
押さえるべきポイントがあるので、チェックしてみてくださいね。

生地配合(参考)

  • 強力粉…200g
  • 上白糖…10g
  • 塩…4g
  • インスタントドライイースト…2.4g
  • 水…132g
  • 無塩バター10g

工程(参考)
ホームベーカリーでこねて、30℃で50分間一次発酵後、6個(1個約60g)に分割。
ベンチタイムが終わった生地は、成形し、最終発酵を36℃約40分間、180℃15分間焼成。

ベンチタイムの方法

  1. 分割した生地を切断面が中に隠れるように丸め、適度な間隔をあけて並べます。

    もし、分割のときに出た小さな生地があれば、中に包み込むようにして一緒に丸めましょう。生地の表面はピンと張りのある状態がベスト。ただし、きつく丸めすぎないように注意!

  2. ベンチタイム中は、生地が乾燥しないように、かたく絞ったぬれ布巾(または厚手のビニール)をかぶせます。

    *この他、深さのあるバットやプラスチックケースに入れ、ぬれ布巾やビニールをかぶせる方法もあります。

生地の乾燥と温度に注意!

ベンチタイムでは、生地の表面が乾かないように気をつけるのが重要!

置く場所の温度は、25℃前後を基本に。室温が低い場合は、発酵器に入れるのもおすすめです。

ベンチタイムの時間は?終了の見極め方

ベンチタイム終了の目安は、生地がふっくらと大きくなって、中心に芯がなく、緩んでいる状態であること。

一般的には、15~30分間が目安とされています。

ただし、パン生地の性質や分割後の丸めの強さによっても変わってきます。
テーブルロールや菓子パンなら15~20分間、食パンやフランスパンだと20~30分間ベンチタイムをとることが多いです。

ベンチタイム終了のタイミングは、指先で生地を軽く押さえて離したときにできる、指跡の残り方を見てチェックします。

指跡が残れば、ベンチタイム終了の合図。

生地の変化を見てみよう!

実際に、0分(丸めた直後)・10分後・15分後・20分後で指跡の様子を見てみましょう。

0分

張りと弾力があるので、指跡は残りません。

10分後

少し生地が緩んできましたが、表面には張りがあります。少し指跡が付きましたが、ゆっくり戻ってきます。

15分後

生地が緩んで一回り大きく。指跡が残るようになってきました。まだ少し芯が残っている感じです。

20分後

ふっくら、ふんわりと生地が緩んで、指跡がしっかりと残ります。
これくらいまで、生地をお休みさせましょう。

ベンチタイムは、短くても長くても生地の伸展性が低く、成形で生地にダメージを与えてしまいます。
時間はあくまでも目安に、生地の状態を見て判断してくださいね。

ちょうどよい時間のベンチタイムをとった生地は成形がしやすく、その後の発酵もスムーズ。焼き上がったパンもふっくらやわらか♪

パン生地の状態に注目!ベンチタイムを大切にしよう

成形前の生地を緩ませる時間「ベンチタイム」。
その生地に合った最適な時間をとることで、おいしくきれいな手作りパンを焼き上げることができます。

ベンチタイムでは、レシピに書いてある時間を参考にして、生地の状態に注目してみてくださいね。

date
2022/09/14
writer
miharu
category
パン作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

「楽しみながらパン作り」をモットーに、日々パンやお菓子作りに励んでいます。 パン教室主宰。

コメント

この記事にコメントを書く

コメント

ニックネーム

※ コメント反映までにお時間をいただきます。コラム内容に関係のないコメントや、個人的なご相談などは公開を控えさせていただく場合がございます。

おすすめのコラム

韓国の揚げドーナツ・クァベギの作り方

韓国の定番おやつ・クァベギを作ろう!今回ご紹介するレシピは、韓国の定番おやつ「クァベギ」!韓国屋台で食べたクァベギを思い出しながら作った、もちもちふわふわな食感をぜひお試しください!クァベギとはクァベギとは、韓国で親しま...

発酵なしで簡単!アメリカの家庭の味・コーンブレッドレシピ

アメリカの伝統的なパン コーンブレッド日本ではあまり知られていないコーンブレッド。とうもろこしの風味とやさしい甘さが癖になる、アメリカで古くから愛されている伝統的なパンです。今回は、コーンブレッドのレシピをご紹介します。...

ゆきちからで作るイングリッシュマフィン&エピのレシピ

パン作りにぴったりの国産小麦「ゆきちから」の魅力近年、国産小麦を使ったパンの人気が高まっていることから、パン作りに向いた新しい小麦品種の改良が進んでいます。そのひとつに「ゆきちから」という小麦があるのをご存じでしょうか。...

マヌルパンのレシピ、韓国発のやみつきパンの作り方

韓国で大人気!マヌルパンを作ろう韓国で大人気のマヌルパン。日本でも少しずつ広まり、人気が高まっています。今回は、話題のマヌルパンがおうちで作れるレシピをご紹介します。マヌルパンとはマヌルパンとは、韓国の屋台で大人気のにん...

マフィン型で作る簡単バターフレーキーのレシピ

バターがジュワッとあふれ出す!バターフレーキーはいかが?夏が終わり、涼しくなってくる季節。秋が来ると、作りたいものや食べたいものが増えてきます。デニッシュやクロワッサンなどのバターを折り込んで作るパンは、その中の一つでは...

再入荷のお知らせメール

通知を受け取るメールアドレスを登録してください。


おすすめ PICK UP!

パン作りでベンチタイムが必要な理由