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ココアパウダーを入れたスポンジ生地が膨らまない理由は?

date
2019/01/10
writer
よーちんママ
category
お菓子作り

ココアを入れると膨らまない!

ココアを入れたスポンジケーキやシフォンケーキを焼くと、思ったより膨らまなかったことはありませんか?
私も、高さのないココア生地のケーキを目の前に、ショックを受けたことがしばしば。

プレーン生地だとうまく焼けるのに、ココア生地だとどうして膨らまないのだろう?
今回は、ココアを入れると膨らまない理由と、その解決法をお伝えしていきます。

ココアを入れると膨らまない理由

ココアを入れると生地が膨らまないのは、ココアの脂肪分が原因です。
ココアと薄力粉では、脂質に大きな差が。

  • ココアの脂質…22%
  • 薄力粉の脂質…1~2%

泡立てた卵にバターを入れると気泡が壊れるように、脂肪分は卵の気泡を壊してしまう性質があります。
ココアの脂肪分も同じで、薄力粉のみで作るときよりも脂肪分が多くなるため、気泡が壊れやすいのです。

なので、薄力粉のみで作るときよりも、混ぜる回数を減らして気泡を壊さないように気をつけなければなりません。

混ぜる回数で比較

ココアを入れた生地は、薄力粉のみで焼くときよりも、混ぜる回数を少なくしなければいけないことは分かりました。
では、どのくらいの混ぜれば、生地がつぶれずに焼けるのでしょうか?

今回は、15cm型ココアスポンジの焼き上がり状態を、混ぜ合わせる回数によって比較します。

混ぜる回数が多い場合

回数

合計90回
*プレーン生地の場合と同じくらいの回数で混ぜました。

  1. 薄力粉+ココアを入れて、60回混ぜる。

    薄力粉もココアも見えなくなるまでしっかりと混ぜました。
  2. バター+牛乳を入れて、30回混ぜる。
  3. 焼き上がり。

結果

ボリュームがなく、高さがありません。

混ぜる回数を減らした場合

回数

合計70回

  1. 薄力粉+ココアを入れて、40回混ぜる。

    まだココアが混ざりきっていない感じもしますが、ここでストップします。
  2. バター+牛乳を入れて、30回混ぜる。
  3. 焼き上がり。

結果

しっかりと高さのあるスポンジケーキが焼けました。

混ぜる回数が少なすぎた場合

回数

合計50回
*混ぜすぎないように気をつけるあまり、混ぜる回数が少なすぎた場合で作ってみました。

結果

ふわふわで高さはありますが、腰が折れてしまっています。
混ぜる回数が少なければ良いというわけではないようです。

気泡をつぶさないようにと、混ぜる回数を極端に減らしてしまうと、逆に生地が軽すぎてしまうのです。

三つの比較

三つの焼き上がりを並べてみます。

高さ


混ぜ方によって、高さが全然違うのがよく分かります。

断面


断面を見ると、生地の状態も全然違います。

比重で比較

この混ぜ具合は人によっても変わってくると思います。
確実に成功させるためには、出来上がり生地の比重を量ることをおすすめします。

今回検証した生地の比重は、下記の通り。

混ぜすぎの比重

0.52
(100ccカップで計量すると52g)

混ぜがちょうどよい比重

0.45
(100ccカップで計量すると45g)

混ぜが少ない比重

0.37
(100ccカップで計量すると37g)

比重については、misaさんのコラム「お菓子生地の「比重」とは?」で詳しく解説されています。

混ぜを減らすためのポイント

ココアはダマになりやすく分散しにくい性質。
少ない回数で混ぜ合わせるのが難しいです。

ココア生地をつぶさないためには、混ぜ方に気をつけて適正な生地の状態にすることが大切。
そのために、気をつけるべきポイントが二つあります。

ココアパウダーと薄力粉を合わせて2〜3回ふるう

ココアパウダーは薄力粉と合わさっていることで、ダマにならずに分散して混ぜ合わせることができます。
このとき、あらかじめ2〜3回ふるっておくことがおすすめ。

ふるうのは1回でも構わないのですが、混ぜ合わせるのに慣れていないと、どうしても混ぜる回数が多くなってしまいます。
2〜3回ふるっておくと、薄力粉とココアパウダーがより均一になり、混ぜ合わせやすくなるので、混ぜる回数も減らせると思います。

1回ふるったもの


ココアがまだ混ざりきっていません。

3回ふるったもの


ココアと薄力粉が均等に合わさっています。

卵の泡立てはきめ細かく

卵はリュバン状(リボン状)になるまで、ハンドミキサーでしっかりと泡立てます。
最後に低速できめを細かく整えることで、薄力粉とココアパウダーを混ぜたときに気泡が壊れにくくなります。

プレーン生地もそうですが、ココア生地では卵の泡立てが特に重要なポイント。
ココアパウダーは卵の気泡を壊しやすいので、きちんときめ細かい丈夫な泡を作っておくことが大切です。

ココア生地も、こつをつかんでふんわり焼こう!

ココア生地はどうしても生地がつぶれやすいので、難易度が高いと感じてしまいがち。
ですが、なぜつぶれやすいのか、どのくらい混ぜたら良いのかをしっかりと知ることで、失敗は少なくなると思います。

ココア生地の苦手意識をなくして、ふんわりおいしいココア生地のケーキ作りにぜひ挑戦してみてください!

【おすすめの特集】失敗から学ぶお菓子作り失敗から学ぶお菓子作りの特集はこちら
date
2019/01/10
writer
よーちんママ
category
お菓子作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

お菓子作りが大好きな二児の母。家族がおいしそうに食べてくれるのが一番の幸せ。子どもと一緒に作れる簡単なお菓子を作ることが多いです。 

コメント

まりぽんさん

2020/05/10 23:47

良く理解出来ました。ありがとうございます。 ガトーショコラをホワイトチョコレートで焼こうと思い(ブロンディ)、ダークチョコレートと同じ配合でホワイトチョコレートを使ったところ、全く固まらず液状に仕上がってしまいました。ホワイトチョコレートを使う際の注意点を教えてください。

よーちんママさん

2020/05/11 14:37

まりぽん様 コメントありがとうございます♪ ガトーショコラ のご質問ですが、ダークチョコレートとホワイトチョコレートの油脂分の量が原因かと思われます。ホワイトチョコはカカオマスが含まれてないので油脂分が多く、そのためダークチョコレートと同じ配合で作ると固まりにくいのではないでしょうか。ホワイトチョコで作るのに適したガトーショコラ のレシピを参考にされるのが良いと思います。 ホワイトチョコを使う際の注意点ではなく申し訳ないのですが、参考になれば嬉しいです。

すももさん

2023/11/15 10:25

大変参考になりました!ありがとうございます。 子どもの誕生日ケーキのためにココア入りを初めて焼いて、まさしく混ぜすぎによる膨らみ不足となりました。不慣れなのもあり、なかなか混ざらないなぁと思いつつ一生懸命に粉を混ぜたのですが、その時にどんどん気泡が消えていく気がしたのは気のせいでは無かったんですね…原因と対策が分かって良かったです。 その時は急ぎプレーンのを焼き直して事なきを得ましたが、こちらの記事を参考にして、近々ココア生地リベンジをしたいと思います!!

よーちんママさん

2023/11/21 09:49

すももさんへ コメントありがとうございます! お子様の誕生日ケーキを作っていて膨らまないと焦ってしまいますよね(>_<)でも、プレーンを焼き直してことなきを得たとはさすがです!! ぜひぜひココア生地の再挑戦をしてみてくださいね!コラムを参考に成功したら嬉しいです♪

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