cotta column

お菓子の材料を入れるタイミングに理由はあるの?

date
2019/02/13
writer
misa
category
お菓子作り

お菓子作りに大切なこと

小麦粉・砂糖・卵・バター。シンプルな素材の配合、手順を変えるだけで、いろいろなものが出来上がる魔法のようなお菓子作り。
その魔法の秘密は「お菓子作りの科学」にあります。

難しい話キター!!と身構えないでくださいね♪
もちろんその科学を勉強すればするほど、お菓子作りをコントロールしやすくなりますが、なかなか難しいもの。

今回はお菓子作りをする上で大切な『手順』を、砂糖を入れるタイミングを例に考えてみたいと思います。

材料を入れるタイミングが持つ意味

材料を入れるタイミングは、前後しても問題ないものもありますが、全く違うものになってしまったり、作業がしづらくなってしまったりすることもあります。

スポンジ生地とバター生地(パウンドケーキ)で、砂糖を入れるタイミングを確認してみましょう。
砂糖には、甘み以外にも重要な役割があるんですよ。

スポンジ生地(共立て法)

スポンジ生地はどうやって作るの?

スポンジ生地は、卵(卵白)の起泡性(撹拌すると空気を抱き込んで気泡を作る性質)を使って膨らませます。

まず、卵と砂糖を湯せんで温めましょう。
砂糖は、湯せんにかけるときに加えておけば溶けやすく、卵が熱凝固するのを抑える力があります。

実はスポンジ生地における卵の温めは人肌程度なので、熱凝固の心配はほとんどありません。しかし、カスタードクリームなどで温めた牛乳を加える際には、卵黄に砂糖をすり混ぜておかないと熱凝固の心配があります。
砂糖が卵の熱凝固を抑えてくれる力は重要なので、覚えておいてくださいね。

次に、温めた卵と砂糖を泡立てていきますが、ここでも砂糖には重要な役割が。
砂糖には気泡を安定させる働きがあり、きめ細かな気泡が必須となるスポンジ生地にはかかせません。

そして、きめ細かく安定した気泡の中に小麦粉を加えてから、気泡を壊してしまう働きのあるバターなどの油脂を最後に加えるのが鉄則なのです。

砂糖を加えるタイミングで生地の状態は変わるの?

【卵+砂糖で泡立て】→小麦粉→バター
砂糖が入った卵は、白っぽくなるまできめ細かくボリューミーに泡立っています。

卵のみ泡立て→【砂糖】→小麦粉→バター
卵のみだと筋が残るまで泡立ちますが、きめが粗く、ボリュームも少ないです。

この状態で残りの材料を加えてみましょう。
砂糖を混ぜるとつやは出てきますが、ドロッ…としています。
泡立ててもボリュームは増えず、低速で混ぜてもきめ細かくならず。

慎重に粉とバターを混ぜ込みましたが、生地は少し重たい感触です。

焼き上がりを見てみましょう。

高さは低め。レシピ通り焼いたものより1cmほど低いでしょうか。
内層はやや粗く、食感はねっとりした感じです。

結論

全くできないということはないですが、とにかく気泡が不安定で作業しづらく、とても時間がかかりました。
ねっとりとした食感も気になります。

始めに砂糖を加えてから泡立てることの、なんと効率の良いことか!

バター生地(シュガーバッター法)

バター生地(シュガーバッター法)はどうやって作るの?

バター生地はバターのクリーミング性(撹拌すると空気を抱き込むことのできる性質)を利用して膨らませます。

まず、バターと砂糖を一緒に撹拌して、空気を含ませましょう。
砂糖を一緒に撹拌することによって、バターはより多くの気泡を含むことができます。

次に卵を加えますが、砂糖がバターに分散されていることで、砂糖の持つ親水性(水分を吸収しやすい性質)が卵黄の持つ乳化作用と共に、乳化を助けてくれる働きをするのです。

しっかりと乳化したところに小麦粉が入ると、安定した良い生地が出来上がります。

砂糖を入れるタイミングで生地の状態は変わるの?

バター→【砂糖】→卵→小麦粉
バターに砂糖を加えて撹拌すると、軽さとボリュームが出ます。

卵を全て加えても、きれいに乳化しています。

バター→卵→【砂糖】→小麦粉
バターのみで撹拌したものは、少しボリュームが少ないです。

驚くことに、温度や入れ方に気を付ければ、卵は9割加えるところまでは乳化。そこからはどんどん分離し、砂糖を混ぜても分離状態は変わりませんでした。

結論

焼成したものを比べてみましょう。

見た目は、高さが2cm程度違うくらいで許容範囲内に見えますが、食べてみると…。

ちゃんと乳化したものはきめ細かくふんわりとした口どけ。
一度分離したものは引きが強く、口どけも劣ります。

分離しても意外と大丈夫♪に見えるかもしれませんが、食感の差がはっきり現れているんですね。

レシピの裏側にあるもの

今回の二つの生地でもお分かりいただけたかと思いますが、材料を入れるタイミングには大きな意味があるのです。

さらに、温度や混ぜ方といったその他の要因も含めた『手順』がとても大切になります。

レシピには、こうした「お菓子作りの科学」からなる意味が、ちゃんと込められているんですね。

今回は、砂糖をメインに実験してみましたが、他にも、材料を加える順番によって、かたさや風味の強さが変わるものも。
酵母や膨張剤を使うときには、その働きに影響することもあります。

レシピの手順を大切に


お菓子作りをする上で、下準備や細かな指示が多いのも納得していただけたでしょうか?
そして、その大切さも!
意味があるんだー!と思うと、より気を付けよう♪と思えるもの。

材料が増えるほど、さまざまな影響があります。
レシピの手順を、より大切にしていきましょう!

date
2019/02/13
writer
misa
category
お菓子作り

スイーツ好き、おしゃべり好き♡お菓子教室の講師は天職だと最近感じています(笑)少しでもお役に立てるお話が出来たら嬉しいです♪

みなぴょんさん

2019/03/09 15:08

お菓子作りにおいて、それぞれ意味があるんだなぁ、と大人になってから気づきがいっぱいありました。
小さい頃、失敗ばっかりしてたあの頃の自分にこの話を言ってあげたいです。

パン作りにおいての塩のタイミング、オートリーズ法とかもありますよね。(気のものとかいう説もありますが)

お菓子は、バターの攪拌がどうも面倒で最近は太白ゴマ油をもっぱら使っていますが、その辺りもまたご教示頂きたいです。

misaさん

2019/03/11 12:52

みなぴょんさん コメントありがとうございます‼私も小さな頃のお菓子作りには、今ではツッコミどころ満載ですー‼‼(笑) パン作りは生き物である酵母を使う点で、さらにまた気遣うところが何点も絡み合ってきますよね。どちらも奥深く、悩ましくもあり面白い点でもあります。気軽に取り掛かれる太白ごま油、いいですよね♪私はバターラヴァー(笑)なのですが、太白ごま油で作るお菓子の軽さも好きです‼既出のコラムですと、よーちんママさんの「オーブンまで5分!液体油脂で時短お菓子レシピ」に液体油脂についてのお話がわかりやすく記載されています。私も液体油脂についてはあれこれ試したりしていますが、もし何かこういう点で困ってる、分からない、などお困りのことがありましたら、またお聞かせください(*˘︶˘*)

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