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油脂を変えてスコーンの焼き比べ実験!

date
2018/05/25
writer
nyonta
category
お菓子作り

スコーンの油脂、変えてみたらどうなる?


外はサクッと、中はふんわりやわらかいスコーン。おいしいですよね。

スコーンで使う油脂といえば、普通はバターを使いますが、オイルや生クリームで作ってみたらどう変化するのか気になりませんか?

今回はスコーンに使う油脂を変えて、見た目や味、食感にどう違いが出てくるのか調べていきたいと思います。

スコーンのレシピ

今回は比較のため、油脂以外は全て同配合で作成。
基本材料にプラスして、それぞれの油脂類と水分を加えていきます。

基本材料(6個分)

  • 薄力粉…150g
  • ベーキングパウダー…7g
  • グラニュー糖…25g

バタースコーン

  • 無塩バター…45g
  • 牛乳…75g

作り方

  1. 薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい、グラニュー糖と一緒にボウルに入れる。
  2. 1cm角程度に切った冷たいバターを加え、バターと粉がサラサラになるまで指先ですり合わせる。
  3. 牛乳を加え、ゴムベラもしくはドレッジで混ぜ、全体に水分をいきわたらせる。
  4. 生地がまとまってきたら、10回ほど折りたたむようにして一つにまとめる。
  5. *層を作るイメージでまとめていく。

  6. 厚さ2.5cmの長方形にして、ラップに包んで2時間以上休ませる。

オイルスコーン

  • 太白ごま油…45g
  • 牛乳…75g

作り方

  1. 薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい、グラニュー糖と一緒にボウルに入れる。
  2. 別のボウルに牛乳と油を入れ、ホイッパーでよく混ぜ合わせる。
  3. 1のボウルに加え、生地を一つにまとめる。
  4. *バターの生地と違い、ベタベタとやわらかい生地なので、折りたたんだりはしない。

  5. 厚さ2.5cmの長方形にして、ラップに包んで冷蔵庫で2時間以上休ませる。

生クリームスコーン

  • 生クリーム(明治の乳脂肪分45%)…120g
  • *牛乳と油脂を生クリームに置き換えます。

作り方

  1. 薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい、グラニュー糖と一緒にボウルに入れる。
  2. 1のボウルに生クリームを全て加える。
  3. よく混ぜて一つにまとめ、バターの生地と同じように、10回程折りたたむようにしてまとめる。
  4. 厚さ2.5cmの長方形にして、ラップに包んで冷蔵庫で2時間以上休ませる。

焼成

  1. 包丁で6等分にカットし、天板に並べる。
  2. 200℃に予熱したオーブンを190℃に下げて、約25分間焼く。

見た目の比較

バター

  • しっかりと膨らみ、スコーンらしくきれいに腹割れする。

オイル

  • 膨らみが悪く、腹割れもしない。
  • 生地の繋がりが良くなく、表面がデコボコしている。

生クリーム

  • しっかりと膨らむが腹割れしない。
  • 焼き色が一番つきやすい印象。

並べてみると…


見た目の面では、腹割れしたバターのスコーンが一番きれいに仕上がりました。

オイルのスコーンは焼成前とあまり高さが変わらず、膨らみが悪くどっしりとした印象。

生クリームのスコーンはしっかりと膨らんだのですが、腹割れしない分、バターに比べるともう少しといったところ。

断面・味・食感の比較

バター

  • しっかりと膨らんでいるので断面はふんわりとした印象。
  • 外側がサクッと、中がふんわりとしている。
  • バターの良い香りと粉の甘味を感じる。
  • 味にバターのコクが感じられ、とてもおいしい。

オイル

  • 膨らみが悪いので、断面はやや詰まり気味でみっしりとした感じ。
  • 弾力があり、少しもっちりとした食感。
  • 油脂以外は同配合だが、生地に甘味があまり感じられない。
  • 少し油っぽいが、コクはないのであっさりした風味。

生クリーム

  • 断面はふんわりとやわらかい印象。
  • 3種類の中で一番やわらかくしっとりしていて、外側もソフトな食感。
  • 粉の甘味も感じられ、乳製品のコクも感じる。
  • 全体的にバターで作った物に似ているが、こちらの方が軽めの食感であっさりしている。

並べてみると…


味・食感については見た目に続き、バターが一番おいしかったです。外側と中の生地のバランス、粉の甘味、バターの香りと全体的なバランスが良く理想的でした。

次点で生クリームのスコーン。やわらかくてしっとり甘く、乳製品のコクも感じられて、バターなしでもとてもおいしい仕上がりでした。

オイルのスコーンはやや油っぽく、生地も詰まっていて重たい印象。
ただ今回は比較のために他の油脂と同量加えたので、量を調整すれば改良の余地ありだと思いました。
作業性は最も粉とのなじみが良く作りやすかったです。
コクがないので、チョコ等のフィリングを加えたりするのも良いかと思いました。

まとめ

スコーンの油脂を変えて焼き比べた結果、総合的にみるとバターが抜きんでていました!
味だけなら生クリームも負けていなかったですが、オイルは風味の面でやはり乳製品より若干劣る印象でした。

油脂が変わるだけで仕上がりが大きく変わる事がわかりました。
今回作り比べた結果を、スコーン作りの参考にしていただけたらうれしいです。

【おすすめの特集】スコーンレシピスコーンレシピの特集はこちら
date
2018/05/25
writer
nyonta
category
お菓子作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

製菓学校卒業後、ホテルやケーキ屋さんで働いていた経験を活かして、毎日楽しくお菓子作りしています。旬の食材で作る季節感のあるお菓子が大好きです!

コメント

はなこさん

2019/09/12 22:02

本来のスコーンは中がふんわり柔らかいものではなく、モサモサだと思います…。 それに近いタイプはどれでしょうか?

nyontaさん

2019/09/14 21:47

はなこ様 お返事遅くなりまして申し訳ありません。コメントありがとうございます。 本来のスコーンはバターで作りますので、バターをお選びになると良いかと思います。 こちらでご紹介しているレシピは、中が柔らかめの何もつけなくても美味しく頂けるレシピになっています。配合や製法の違いで様々なスコーンがありますので、このコラムがお好みのスコーン作りのヒントになりますと幸いです。

マグノリアさん

2024/06/03 08:30

スコーン作りでの油脂の違いは以前から興味のあるテーマでしたので、とても参考になりました。 自分はいつもバター多めで玉子も加えるレシピなのですが、バター少な目で生クリームやヨーグルトを加える方法も試してみたところ、乳製品の風味は増すけれどやはりバター主体の方が綺麗な層が出るなと感じました。 ところで、玉子のある無しで層や食感に違いは出ますか? そちらも実験比較して頂けましたら嬉しいです。

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