6,500円以上で送料220円&クール便220円! - 会員登録はこちら

cotta column

お菓子・パン作りの知的好奇心を満たす情報メディア

ルーツはどこ?マドレーヌの名前の由来について

date
2017/10/04
writer
ブラウンジャック
category
お菓子作り

なぜこんな名前が付いたの?

170921_brownjack_3
ある日、私がお菓子作りをしている時。
 
母「今日は何のお菓子を作っているの?」
私「マドレーヌだよ。」
母「貝殻の形をしているお菓子だよね!でも、なんでマドレーヌっていう名前がついたのだろうね。」
 
と興味津々に問いかけてきました。今までは何気なく作っていたマドレーヌ。
名前の由来や歴史を知れば、より気持ちを込めて楽しく作れるのではないかと思い、調べてみました。

マドレーヌの名前の由来・歴史

名前の由来は諸説あるそうです。今回は私が調べた6つを紹介します。

説その1

1661年、ローレヌ地方コメルシー(フランス)で暮らしていたポール・ドゥ・グロンディは雇っていた料理人、マドレーヌ・シナモンが作る揚げ菓子が大好物だった。
 
ある日、グロンディは別のお菓子が食べたいと思い、いつもの揚げ菓子と同じ生地でほかのお菓子を作るようにとマドレーヌに命令した。
そうして作り上げたお菓子に彼女の名前『マドレーヌ』とつけた。
170921_brownjack_10

説その2

1755年、スタニスラス・レクチンスキー公(当時、ローレヌ公国を収めていた人物)がローレヌ地方コメルシー(フランス)にあるお城で晩餐会を開いたとき、雇っていた菓子職人と仲間が喧嘩をしてしまう。
 
パティシエが出て行ってしまい、困ったレクチンスキー公は調理場で働いていた女性、マドレーヌ・ポルミエにお菓子を作るように命令した。
 
すると彼女はありあわせの材料と貝殻型を使ってしっとり、黄金色のお菓子を作った。
そのお菓子を食べたレクチンスキー公たちは絶賛し、そのお菓子に彼女の名前『マドレーヌ』とつけた。

説その3

ローレヌ地方コメルシー(フランス)で暮らしていたマドレーヌ・ポール・ミエという料理人が貝殻型を使用してお菓子を作った。
そのお菓子に彼の名前『マドレーヌ』とつけた。
170921_brownjack_8

説その4

ジャン・アヴィスというパティシエがカトルカール生地(パウンドケーキ生地)を小さなゼリーの型を使用して焼き上げた。
そのお菓子が小さくて可愛い形だったため『マドレーヌ』とつけた。(アヴィスが名付けたのか、他人が名付けたのかは不明)

説その5

フランスからスペインの巡礼地を目指す少女・マドレーヌが巡礼者のシンボル帆立貝の形をしたお菓子を作って巡礼者に配っていた。その少女の名前から『マドレーヌ』とつけた。
170921_brownjack_0

説その6

フランス語『Madeleine(マドレーヌ)』の語源、ラテン語『Sancta Maria Magdalena(サンクタ・マリア・マグダレーナ)』というキリストの教の聖人(マグダラのマリア)の信仰から『マドレーヌ』とつけた。

マドレーヌはフランス生まれ

今回取り上げた幾つかの諸説にあるように、『マドレーヌ』はフランスのローレヌ地方・コメルシーで誕生したそうです。
 
円形の菊型で焼いたマドレーヌもありますが、それは日本独自のものでマドレーヌが日本に伝わった時に、パン・ド・ジェーヌ(アーモンドをたっぷり使用したお菓子)と混同したと考えられています。
 
本来の形のマドレーヌは帆立型で、昔巡礼者がお守りとしてホタテの貝殻を持ち歩いていたことに関係しているとされています。
170921_brownjack_2

ブラウンジャックのマドレーヌ

材料

ハチミツの甘さをしっかり感じたいときはグラニュー糖を使用し、ハチミツ30gのレシピがおススメ。
上白糖はグラニュー糖より甘みがあり、しっとりしやすいので使用する場合はハチミツは20gがおススメです!

下準備

  • オーブンを200℃に予熱しておく。
  • 薄力粉、ベーキングパウダーを合わせてふるっておく。
  • バターを約50℃にしっかりと溶かしておく。
  • 型全体にオイルスプレーをふきかけておく、または型に溶かしバターを薄く塗り、強力粉(薄力粉)をはたいておく。

作り方

  1. 泡だて器で全卵を溶きほぐす。
  2. 170921_brownjack_3

  3. グラニュー糖(上白糖)とハチミツを加えてしっかり混ぜる。
  4. 170921_brownjack_4

  5. 合わせてふるっておいた薄力粉とベーキングパウダーを加え、粘り気のある生地になるまでしっかり混ぜる。(薄力粉のグルテンを最大限まで引き出す)
  6. 溶かしバターを加えしっかり混ぜる。
  7. 170921_brownjack_5

  8. 絞り袋に流し込み、冷蔵庫で一時間以上休ませる。
  9. 170921_brownjack_6
    170921_brownjack_7

  10. 型に7分目まで生地を流し、180℃で15分焼き上げる。(生焼けだった場合は様子を見て追加焼きする)
  11. 170921_brownjack_8
    170921_brownjack_9

  12. 焼き上がったら型から外して冷ます。
  13. 170921_brownjack_10
    170921_brownjack_11

まとめ

普段食べているお菓子には誕生するまでに思いがけない歴史があり、興味深いものばかりです。
お菓子の名前の由来や歴史を知ることでより楽しくお菓子を食べることができると思います。
 
今回紹介したマドレーヌ以外のお菓子も、名前の由来や歴史についてぜひ調べてみてください♪
170921_brownjack_12
 

参考文献はこちら

  • お菓子の由来物語
    著者 猫井 登
    発行所 株式会社 幻冬舎ルネッサンス
  • フランス菓子図鑑 お菓子の名前と由来
    著者 大森 由紀子
    発行所 株式会社世界文化社
【おすすめの特集】
マドレーヌレシピマドレーヌレシピの特集はこちら
date
2017/10/04
writer
ブラウンジャック
category
お菓子作り
注:記事内容やレシピ・画像の転用・掲載などの二次利用はお断りしております。

お菓子作り大好きな高校2年生。

コメント

この記事にコメントを書く

コメント

ニックネーム

※ コメント反映までにお時間をいただきます。コラム内容に関係のないコメントや、個人的なご相談などは公開を控えさせていただく場合がございます。

おすすめのコラム

余った卵白を使ってクッキー缶を作ろう!

余った卵白を生かしたクッキー作りお菓子を作ると余ることの多い卵白。ストックされている方も多いのではありませんか?そして、「そろそろ使わなきゃ!!」という方も。今回のコラムでは、卵白を使ってちょっと面白い提案をしてみたいと...

カヌレ型で作るシュークリームのレシピ

カヌレ型活用!見た目もかわいいシュークリーム流行りのカヌレ、みなさん一度は作りましたか?でも、「カヌレはたまにしか作らないから、せっかく買った型を使う機会があまりない」なんて方も多いのではないでしょうか。実はカヌレ型は、...

ウェルシュケーキのレシピ、フライパンで焼くイギリス伝統菓子

フライパンでイギリスの伝統菓子に挑戦!世界に数多くある魅力的な伝統菓子。素朴で味わい深い伝統菓子の中から、今回はウェルシュケーキのレシピをご紹介します。オーブンを使わず、フライパンで簡単に作れますよ。ウェルシュケーキとは...

タルト作りにおけるピケと重石の役割とは?

ピケと重石の役割タルト生地を焼くときに出てくる「生地にピケをする」「重石をのせる」という工程。この工程にはどんな役割があるのでしょう?今回はピケの方法や重石の使い方を確認しつつ、その役割や必要性について解説します。ピケと...

冷菓にも焼き菓子にも!セルクル型の使い方

セルクルを使いこなそうお菓子作りに欠かせない型の一つ、セルクル。今回は、セルクルの使い方とその魅力をご紹介します♪セルクルってどんなもの?「セルクル(cercle)」という言葉は、フランス語で「円」という意味。調理器具と...

おすすめ PICK UP!

ルーツはどこ?マドレーヌの名前の由来について